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買取コラム
市場が不安になり金の買いが高まると、価値が高くなる金。過去の高騰を振り返り、金が上昇する理由を探ります。
金の価格は一般に販売されている商品と、違い日々変動しています。どうして金の価格は日によって変わるの?その答えは金の相場価格は、日本だけではなく世界経済・情勢など様々な要因が影響するからです。金の高騰は、市場全体が通貨の価値に不安を持つことで起こります。例えば、コロナショックなどの情勢不安や政治不安などは通貨の価値を下げ、反対に実態のある資産(金)を求める動きが高まるのです。つまり、実態のある資産である金は通貨の価値が下がるインフレでは相場が上昇し、通貨の価値が上がるデフレでは価値が下落。世界の基軸通貨はドルであることから、ドルの価値変動が金相場の基準であると考えられているのです。その要因を大きく7つに分けて解説していきます。
1.需要と供給のバランス
一般的な商品の場合、価格は買いたいと希望する「需要」と販売側の売りたい・提供したい「供給」から成り立っています。需要が供給を上回ると価格が高まり、供給が需要を上回ると価格が下がります。金にはさらに「他の商品と違い、金は24時間・世界各国で取引されている」という特性が追加されます。そのため取引する時間や国によって価値が変わることがないように、取引する人たち全てが公平に取引ができるシステムになっているのです。
2 .ドル相場との関係
現在、世界の基軸通貨はドルであるということはご存知の通りです。つまり世界中の経済活動の大半がドルそのもの、またはドル資産に依存しているわけです。一般的には、ドル安になれば、その資産価値は減りることになります。結果、投機目的のお金はヘッジ先として他の通貨や資産を探し始めることになります。ヘッジ先のひとつとして、金の出番があります。プラザ合意(1985年)により、ドル高の是正承認がなされた後の3年間、ドルが下落する一方、逆に金価格が上昇を続けました。それ以降、金の価格変動を説明する際、一般的な解釈として「ドルと金価格の逆相関性」が多く用いられることになりました。ただ、実際には必ず逆相関性が見られるわけではないことも歴史に学ぶことができます。短期的な局面でしたが、FRBによる度重なる追加利上げが2016年12月、2017年3月、2017年6月に行われ、ドル高となるたび金価格に一時的な下落が見られたこともあります。金の投資における役割を重視される長期投資家も増加しているとされており、単純な逆相関性の図式にはならないことも予想できますが、ドル相場による影響が金やプラチナなどの価格相場に影響を及ぼしていると見ている方は多いです。また、基本的に金の国際価格は、1トロイオンス当たり何ドル、という取引です。日本から見て円高になれば安く金を購入できるため、日本での金価格が下がり、円安になれば金が高くなるという計算になります。
3 .地政学リスクの変化
地政学リスクとは、各国や地域によって政治・経済が不透明になることです。例えば、2009年10月頃に経済破綻によって問題になった「ギリシャ危機」も地政学リスクに当てはまるでしょう。国の経済破綻・テロや戦争・大企業の倒産などの要因により地政学リスクが高くなると、通貨そのものの価値が危ぶまれ、物自体に価値がある金に価値が高まるという流れになるのです。
4 .インフレとデフレ
インフレとは、モノの価格が上がり続ける状態のことを指します。インフレが起こると通貨の価値が下がり、実物資産の金の価値が高まります。そのため、インフレが起こりそうな恐れがある場合、そのモノ自体に価値ある金が買われるようなり価格が上がります。また、インフレと反対でモノの価値が下がり続ける状態のデフレに対しても金は強いという特徴があります。デフレの状況となると景気が悪化し、企業や国家への不安から株や債権の価値が下がります。ですが、そんな心配のない金には実物資産金の価値は高まるのです。
5 .各国中央銀行の売買動向
各国中央銀行は、万が一の事態に備え外貨準備を行っており、金を大量に保有しています。昔は売り手側にいた中央銀行ですが、2008年9月に起こった米リーマン・ショックを機に米ドルの信頼がゆらぎ、実物資産の金の買い手に変わったのです。また、日欧米などの先進国に対し、現在の経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた新興国(しんこうこく)の中央銀行が積極的に金を購入し始めたことも一つの要因となります。
6 .中国・インドの経済成長やオイルマネー
前述した原油価格上昇の裏返しがオイルマネーの増大です。従来、増大したオイルマネーは石油輸出国の好調な貿易黒字で得た最も強力な投資マネーです。昨今の原油価格の低迷もあり、一昔前のようなオイルマネーの流出は見られませんが、原油輸出国は海外投資を控えており、自国の財政強化と安定に努めている傾向にあります。一方、BRICsの中でも好調な経済成長を続ける中国、インドについては、外貨準備高を増やし、他の資産にも分散投資する中で、金への嗜好性が強い国民性であることもあり金の準備に力を入れている方が多いとも言われます。今後も中国やインドの経済成長が続いた場合、金の大きな購入勢力となります。これら諸国の経済情勢が金価格の変動の大きな要因になることは事実でしょう。実際、中国は2009年の金保有量は600トンでしたが、一気に1,054トンとなり、2017年には1,800トン超とし、世界で5番目の金の公的保有国となっています。やはり、今後も中国の影響はさらに拡大するでしょう。
7. 年金ファンドの参入
2003年、オーストラリアに金価格に連動するETF(上場投資信託)が世界で初めて上場されました。これをきっかけに、シドニー、ロンドン、ヨハネスブルグ、シンガポール、ニューヨーク、日本など、相次いで上場しました。2017年には、ETF全体の金保有量は前年比9%プラス、約2,300トンとなりました。最大の金ETFであるSPDR® Gold Sharesは金ETF全体の約40%を占めているそうですが、この買い手が欧米の年金基金と言われています。年金基金にとって一番のリスクはインフレ、そして同時株安などの危機的な状況です。年金基金はヘッジファンド系とは異なり、短期的に利ざやを上げることを目的とせず、長期的な視野で運用するため、新規に購入された金はほとんど退蔵されることから目下、金価格の下支えとしては大きな役割を果たしていると言われています。
金の価格高騰は、過去にさまざまなタイミングで起こっています。1970年代後半の米国では不景気のうえに物価が上昇するスタグフレーションに見舞われました。そして1980年をピークに、金価格は大きく高騰を見せます。さらに2011年には世界的な経済不況になったリーマンショックが起こります。リーマンショックは世界市場を不安にさせ、通貨が市場に大量投入されるという見方が強まりました。市場の通貨価値が下がり金の買い傾向が高まったため、金相場が大きく高騰したのです。
金価格が上がりすぎて、一体いつまで高騰が続くのかと思う方も多いでしょう。2020年から急激に高騰した金相場は、2022年に過去最高額を更新しました。数年単位ではコロナウィルスの感染状況やウクライナ情勢が落ち着き、市場が安定することで金の価格がガクッと下がる可能性があります。ただし、あくまでも短期的な視点であり、10年単位の長期保有をするのであれば引き続き高い水準での推移が予想できるでしょう。2022年から一時的に価格が下がる可能性がありますが、長期で見れば高い相場が期待できます。
実は自分で今日の金の相場価格を調べるのはとても簡単です。金の売り時を逃さないために金相場が変動するタイミングは、社会情勢が大きく関わっています。アメリカドルの信用が戻ったり、株価が上昇すると金相場は下落する傾向に売り時を逃さないためには、相場を日々チェックすることが大切です。また、世界情勢や経済の変化に敏感になることで、よりタイミング良く金を高く売ることにつながります。ネットで下記大手貴金属メーカーサイトより、本日の金の価格と金の価格の動きをグラフ化した「チャート」と呼ばれるモノが公表されているのでチェックしてみましょう。
金の過去最高価格はいつ?いくら?の画像金の購入や売却をしようと考えた時に金相場を調べてみると、会社や店舗によって違うことに気が付いた人も多いかと思います。 ここでは主に現物取引についての日本の取引相場の仕組みについて説明します。 まず、金の価格は現物取引と先物取引で指標価格が異なり、相場が決められている市場も変わります。 現物取引は地金(純金の延べ棒)や金貨などを購入、売却したいタイミングでできる取引方法です。ロンドンの金市場が中心となっていて、取引価格もロンドンの金市場で決定されたものが国際的な指標となっています。 一方、先物取引は先に現在の金相場で売買の約束をし、3か月後に決済する時の金相場の差額によって利益や損益が発生するという取引方法です。これはニューヨークにある金市場が中心となっており、取引価格もニューヨークの金市場が指標となっています。
日本において現物取引の指標となる相場を公表しているのは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)というロンドン金市場で取引される金地金の品質を保証している団体に、認定を受けている企業です。 ロンドン貴金属市場協会に認定されている会社は田中貴金属工業や三菱マテリアル、徳力本店などがあり、各会社が毎朝発表している地金の取引価格が指標とされています。しかし、手数料などのコストがかかるため、これらの会社ごとにおいても金の価格は異なります。
金の価格は高騰していますので、過去20年の推移を確認していただければ、100%とは言えませんが、売り時ではないでしょうか。プラチナの価格は5年以上、金の価格を下回り、低い推移をしています。ただ、工業製品としての需要が明るくなるとも限りません。やはり、家庭に眠っている金やプラチナのジュエリー等、手放そうかなぁと思われた瞬間が最も手放したい時だと思いますので、手放すタイミングとしては望ましいのかもしれません。
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